2012年4月27日

モバイルアプリの設計は、デスクトップやWEBアプリとどう違うのか

モバイル(スマートフォン・タブレット)向けのビジネスアプリをデザインする際、画面サイズの違いだけが取り上げられがちだ。それも1要素ではあるが、ほかにも留意すべき重要な違いがある。モバイルアプリ開発のベストプラクティスの要諦として、私が考案した新略語P.O.O.D.L.E.を紹介しよう:









モバイルアプリ設計のベストプラクティスのアウトラインを考察するには、デスクトップ・WEBアプリとモバイルアプリの利用背景の違いを考えてみるといい。プラットフォーム上での開発であるか、ネイティブ開発環境上での開発であるかに関わらず、モバイルアプリ設計には次の6つの切り口からの検討が欠かせない。

Pressure-for-time (すぐに済ませる)
大概のモバイルユーザは、デスクトップユーザに比べて、時間に追われている。短時間しかアプリに集中できないから、情報やデータを幅広く猟食したいというニーズは少ない。実際、一連のデータの包括的な把握はモバイルアプリの用途には不向きだ。彼らは、多くの場合、何かほかのことをしている途中であり、モバイルアプリを使うことは目先の仕事の中断になるからだ。だから、ユーザがマルチタスクで動いていることを考慮した設計が必要となる。モバイルユーザに、的を得た事実や手順を提供すること、つまり、ユーザがアプリに入って、出て、それで事がなされている必要があるということだ。
POODLEの経験則1:モバイルアプリの画面構成は、2つないし3つを超えてはならない。

On-the-spot(居場所を活かす)
モバイルアプリは、地理情報とリンクするとき、最大の効果を発揮する。GPSを通じて地理情報を取得することで、アプリは関連データを照会したり、地図上に居場所を表示したりできる。設計開発者は、緯度経度情報を活かしてこれまでにない方法でデータを関連付けることを考える必要がある。簡単には、GoogleMapsなどとのマッシュアップが有効だ。
POODLEの経験則2:アプリケーションの扱う対象を、ユーザが今いる/最後にいた場所に限定させること。

On-the-go(念頭にある場所はどこか)
モバイルユーザが今いる場所は、必ずしも目標地点ではないことに留意する必要がある。モバイルユーザは、多くの場合、「次に行く場所」を頭に置いている。そのため、ユーザが入力する目標地点と、現地点の両方をミックスさせたアプリを考える必要がある。
POODLEの経験則3:ユーザに、現在地点とは異なる、より関連の深い場所を指定してもらえるようにすること。

Leveraged-Data(バックエンドのデータを使い倒す)
ビジネスアプリを設計する場合、バックエンドシステムにユーザを直接向かわせることなく、アプリがそのデータやビジネスプロセスを利用することは必須事項だ。ここでも、マッシュアップは、ユーザエクスペリエンスを高めるようにデータやプロセスを利用することを可能にするだろう。
POODLEの経験則4:エンタープライズ・モバイル・マッシュアップは、アプリの受容度を35%高める。

Expressly-Personal(パーソナライズされる)
従来型のビスネスアプリでは、画面のナビゲーションに沿って進みながら処理することをユーザが学ぶ。モバイルアプリでは、ユーザを画面でナビゲーションすることは、リソースと時間の無駄になる。アプリの側が、ユーザにプレファレンスやオプションを設定してもらうことなしに、ユーザと関係する際のプレファレンスを学ばなければならない。私がいつも同じ3つのナビゲーションボタンをたどっているとしたら、その画面は私のスタートページになるべきではないだろうか。
モバイルアプリは、ユーザが望む時と場所で望みの方法で向かい合える、とてもパーソナルなエクスペリエンスをもたらすものであるべきだ。ユーザの、その時の特定のニーズに最適化されるよう、アプリの扱う対象は限定されるべきだ。このアプリは、この仕事を、他ならぬこのユーザのためにこなす、ということだ。
POODLEの経験則5:即座にプレファレンスを反映するテーラーメイドなアプリだと、ユーザに感じさせること。

POODLEはいかがだっただろうか。これは、モバイルアプリを開発する際に、伝統的なアプリ造りとどのように異なるアプローチを要求されるかについての入口にすぎない。セキュリティやその他の重要課題に関して、POODLEが拡張されていくことは間違いない。しかし、今は、寝た子を起こさずにおこうではないか。(訳注:最後の一文は'Let sleeping dogs lie.'のもじりで、'Let sleeping applications lie'-おあとがよろしいようで)

Glenn Johnson
Magic Software Enterprises, Inc.  副社長。1984年以来ソフトウエア業界で活動。
しばしばIT産業のコンファレンスで講演。寄稿も多々にのぼる論客。

原文はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿

Copyright 2011, Magic Software Japan.