2013年2月6日

モバイル ~持つ者 持たざる者

モバイル界の互恵システム(ecosystems)分析者を標榜するVisionMobileから、Developer Economics の2013年版が先ごろ発表された。例年の世界の開発者のマインドシェア(心の中に占める占有率)動向、今年のキーワードは持つ者持たざる者 - プラットフォームに関しても、開発者に関しても。
加えて、今年は、クロスプラットフォームツールを含む開発者支援ツール群にもフォーカスし、分類と分野別の俯瞰を試みている。
支持するモバイルプラットフォーム(iOSかAndroidか)のシェアが、アジアと世界平均で大きく異なるなど、興味深い指摘が散見される。

以下、グラフを中心につまみ食いしてみた。

1.モバイル分野の複占化~持つ者と持たざる者の乖離


{キーメッセージ}

複占化

  • モバイル・ハンドセット産業は年率23%の伸び
  • 複占的競合
  • Sumsungが利益を享受できた3つのレシピ
  • タブレットの出荷台数はパソコンの1/3(だが1-2年のうちに同等になろう)

プラットフォーム 有卦に入るもの無卦に入るもの

  • 開発者はiOS/Androidの海を泳ぎながら、実効性のある代替策を捜し求めている
  • HTMLは、iOS/Android複占の協業かつ競合技術となっている
  • Windows Phoneへの期待感が持続
  • BlackBerryの補強策は、開発者から一定の評価を得ている
  • 74%の開発者は2つ以上のプラットフォームで同時開発 - OS/Android両刀使いはもはやベースラインか
  • 世界の趨勢は、iOS優先(だがアジアは...)-ただし、コストと習熟曲線に課題
  • HTML5は、ネイティブプラットフォームAPIと開発環境に課題
  • 開発者にとって、タブレットはスマートフォンと既に同等の扱い - TVは未だニッチ

開発者 儲けている者いない者

  • アプリケーションによる起業には切り立った習熟曲線が立ちはだかっている
  • アドバタイズが主要な収入モデルに
  • ユーザーと協議しながらアプリを企画している開発者は1/4弱 - リーンアプリ開発への課題

{以下トピックスから}

     シェア経年変化



    ハンドセットメーカー利益率の大差

    アップルを除くと、2012年の産業界利益は2009年と同等。つまり、上澄みはアップルに持っていかれてしまったことに。

    Androidのマインドシェアが上向き

    Androidは、開発者に旨味のないプラットフォームと認識されているが、マインドシェアは増加。
    iOSのマインドシェアが下がったのは、アジア{国名ブレイクダウンなし}の開発者の不支持による。
    地域によるシェア差異が大きいのが特徴



    アジア

    北米

    世界平均

    iOS

    48%

    65%

    72%

    Android

    76%

    65%

    56%




    代替案としてWindows Phoneに期待

     

    74%の開発者は2つ以上のプラットフォームで同時開発

    2つ以上のプラットフォームで開発可能な開発者のシェアは74%と過半数。
    Android + iOS がベースラインになっていることが伺われる。
    対応プラットフォームが多くなるほど、収入も高い傾向。


    Android v.s. iOS 対決に決着か

     収入を得るにはiOS、しかし、習熟曲線しかして開発コストではAndroidという評価。
    ただし、iOS - Androidどちらを優先すべきかについては、世界的にはiOSとの結論が出ている{しかしアジアでは...}

    主プラットフォームはAndroid, iOS と BlackBerry

    {それでもBlackBerryが残っているところが、欧米ビジネス界での根強さ?}

    HTML5のPROS & CONS

    HTML5は、コードのポータビリティと開発コストの低さでは勝っているが、よりよい開発環境とネイティブAPIが必要と評価されている。
    HTML支持派のであるFacebook, Mizilla, Googleは、この期待に応えるべきであるとしている。

    開発対象として、タブレットは既にスマートフォンと同等の比重

    HTMLの3プラットフォーム同率にも注目。TVはまだまだ。

    収益モデル

    アドバタイジングが伸びたが、収益ではサブスクリプション優勢

     

    49%の開発者がプライベート目的に制作 成功した開発者は地域・社会階層への浸透を狙う

     

     

    2.開発ツール探訪

     

    開発者向けツール・サービスの一覧

    A/B testing tools
    Ad exchanges
    Ad networks
    App discovery services
    App factories
    App store analytics
    App testing & certification
    Back-end as a Service
    Beta-testing tools
    Crash analytics tools
    Cross platform tools
    Cross-promotion services
    Customer support
    In-app purchase tools
    Performance management
    Project management
    Push notifications
    Source code management
    Translation / localisation tools
    UI prototyping tools
    User Analytics



    クロスプラットフォームツール(CPT)群の利用は3位

     教育・照会系アプリ、ゲームアプリで使用される率が高い、と。

    {発者の関心度は3位だが、トピックスとしては最初に取り上げられている}

    クロスプラットフォームツール
    未だHTML開発者のスキル移行ツールの位置づけだが可能性に期待


    クロスプラットフォームツール(CPT)は開発者にチェレンジを呼びかける。CPTを使えば、開発者は単一の開発ツールやほぼ単一のコードベースから、複数のプラットフォーム(モバイルはもちろん、タブレットやTVも)向けのアプリケーションを生成できる。

    CPTの有利な点は次のとおり。
    • 複数プラットフォーム間の分断がなくなり、開発コストが低減されること。
    • 開発者が最低限のコスト増で新しいプラットフォーム向けの開発をおこなうことができるようになること。
    ソフトウエア開発会社にとって、より重要なのは、次の点だ。
    • 開発者のスキルの使い回しができるようになること。
    • コードを共有することで、アプリケーションの同時リリースが容易になり、サポートコストを下げられること。
    既に、次のようなさまざまな形態の100を超えるCPTが、ネイティブ、ハイブリッド、Webアプリケーション開発向けに発表されている。今のところCPTを最も使用しているのはHTML開発者、最も使われているCPTの形態は Javaスクリプト フレームワークとWeb-ネイティブ ラッパーである。これらツールは、HTML開発者がモバイルアプリケーションへのスキル移行するのを助けている。
    • Javaスクリプト フレームワーク
    • アプリケーション ファクトリー
    • Web-ネイティブ ラッパー
    • ランタイム
    • ソースコード トランスレーター
    開発者は通常複数のCPTツールを使用しており(平均1.91)、このことは、1年前と同様に、CPTツールが未だ未成熟であること、また、ニッチな性質をもっていることを示している。さらに、1/4の開発者が3つ以上のCPTを使用する意向を表明している。万能ツールにまで成熟したツールがひとつも存在しないことにより、iOS/Android複占のパワーバランス状況を脱して他の選択肢に向かう動きが促進されないでいるといえるだろう。



    3.メガSDKベンダの勃興

    2007年を基点にすると、2013年モバイルアプリは第三段階、すなわち、経済活動としてアプリを確立する段階にはいった。コーディングよりも、起業家・デザイナー・マーケッターの時代。アプリケーションの継続性に対して努力がなされる。

    こうした背景のもと、SDKが活性化してきている。50万人の開発者に対して500の開発ツールがしのぎを削り、1000のアプリが供給される間にひとつの開発ツールが供給される状態。

    開発者向けビジネス(B2D)は過去3年間継続伸張傾向。
    また、次のように機能連結していく傾向:
    (1)有機的拡張(ゲームSDKからプロモーションネットワークツールへ等)
    (2)M&A

    分野毎に1~2製品に収斂していく傾向がある。

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    抜粋典拠   VisionMobile "DEVELPER ECONOMICS 2013"

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